名古屋の雑貨店、sahanさんで購入したものです。
レジの横に置いてあった佇まいがとても可愛らしく、
「こちらの作品は購入できますか。」
とお伺いしたところ、心良くお譲りいただけました。
購入することができるか伺ったときは未草さんの作品ということは知らず、店員の方から丁寧に教えていただきました。
大きさは、おおよそ3センチくらい。
玄関の棚の上にちょこんと置かれ、毎日の出入りを静かに見守ってくれています。
さて、ここからちょっとこの作品の魅力はどこから来ているのかを私なりに考えてみたいと思います。
私は「解像度の低さ」と「複雑性の高さ」が同時に成立している、ということがこの作品の魅力となっているのでは、と思います。
下記に少し考察してみました。
解像度の低さ
<要素>
単一の素材・塗装
形状の単純化(デフォルメ)
<メリット>
単純化(デフォルメ)によるフォルムの愛らしさ
想像する範囲が多い
小さい作品でも製作が可能
<デメリット>
チープで深みのないものになってしまうことが多い
複雑性の高さ
<要素>
凹凸
陰影
色の濃淡
無数の孔
テクスチュア
形状の曖昧さ(シンメトリーではない、揃っていない等)
<メリット>
深みのある作品に感じられやすい。
価値のあるものに見えやすい。
<デメリット>
製作が難しくなることが多い
とっつきにくい作品になってしまう可能性がある
必ずしも上記が当てはまるとはいえないことは大前提として、この作品ではそれぞれのデメリットを打ち消し合い、うまくメリットが相乗効果を生んだ結果、かけがえのない作品になっているのでは、と思います。
当然、理屈等では評価できない作品の魅力が存在していると信じていますが、「なぜこの作品が美しいのか」を自分なりに考えてみるのも楽しいひとときです。
少し前に訪れた東京での未草さんの個展ではいろいろと気さくにお話をしていただき、本当に嬉しかったです。
この小さな作品をずっと大切にしようと思います。