OBSERVATION / 009

IMAGE SET / 03

未草 | はりねずみ

object2020.05.23

未草による小さなはりねずみの正面
IMAGE / 0103 IMAGES

名古屋の雑貨店 sahan さんで購入したものです。レジの横に置いてあった佇まいがとても可愛らしく、「こちらの作品は購入できますか」と伺ったところ、快くお譲りいただけました。

その時は未草さんの作品だとは知らず、店員の方から丁寧に教えていただきました。大きさはおおよそ3センチ。玄関の棚の上にちょこんと置かれ、毎日の出入りを静かに見守ってくれています。

この作品の魅力はどこから来るのでしょう。私は、「解像度の低さ」と「複雑性の高さ」が同時に成立していることにあるのではないかと思います。

解像度の低さ。単一の素材と塗装、単純化された形。それはフォルムに愛らしさを与え、想像の余地を広げ、小さな作品を可能にします。一方で、安易に扱えばチープで深みのないものにもなり得ます。

複雑性の高さ。凹凸、陰影、色の濃淡、無数の孔、テクスチュア、左右の揃わない曖昧な形。それらは作品に深みを与えますが、製作を難しくし、とっつきにくさを生むこともあります。

必ずしもこの考えが当てはまるわけではありませんが、この作品では双方の弱点が打ち消され、長所が響き合った結果、かけがえのないものになっているように思います。

当然、理屈では評価できない作品の魅力があると信じています。それでも「なぜこの作品が美しいのか」を自分なりに考えてみるのは、楽しいひとときです。東京での未草さんの個展では気さくにお話しいただき、とても嬉しかった。この小さな作品を、ずっと大切にしようと思います。