OBSERVATION / 019
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WORKS | 織り機につどう

山梨県富士吉田市。織物産地として知られるこの地で最も差し迫った課題が、機屋番匠──織り機の解体・構築・整備を専門に行う機械工──の高齢化と後継者不足でした。『織り機につどう』は、事業継承の機会であり、富士吉田の織物産業に関わる人と仕事を紹介する企画展として開催されました。私はインスタレーション『織り機の記憶』を中心とした会場構成と製作を担当しました。
『織り機の分解展』。部屋の中心では、織り機が実際に解体・組立される様子を会期中に来場者が見られるようにしました。周囲には分解された部品と図面を役割ごとに展示し、織り機の構造を知ることができます。
『織り機につどう人々』。もう必要とされなくなった部品や、壊れた部品を譲っていただきました。そこに美しさを見出して額装し、価値を再構築する試みです。六十を超える額装品は会場やクラウドファンディングで購入でき、その費用は富士吉田の産業に還元されました。周囲の壁には、富士吉田で働く人々と機屋の写真や映像、そしてこの土地へ寄せられた言葉を並べました。
インスタレーション『織り機の記憶』。通じ糸が織り機の上につくる接点の集合体──円──をモチーフにしました。主題は、つながりと、過去から現在、未来までを示す織り機の記憶です。壁に配置された無数の光は織り機につどう人々を、糸の上で明滅する光は、その関係の中で紡がれてきた果てしない時間を表しています。光と空間による、これまでにない表現ができたと思います。
円。それは輪。始まりも終わりもない接点の集合体。輪廻、物理法則、収束、宇宙、糸を巻く。糸と光は互いに織り重なり、無数の層をつくる。過去、現在、そして今ここにつながる織り機の記憶を紡ぐ。カシャン、カシャン。経糸と緯糸。単純な重なりが一枚の布を生む。人は生まれてから死ぬまで、布に囲まれて生きていく。機を織る。それはとてもシンプルで美しい行為。魅せられた人々が今、織り機につどう。
Date: February 2020 / Location: FUJIHIMURO / Direction: yosooinoniwa / Photographer & Movie: Akihiro Yamaguchi.
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